ブランドを立ち上げるぞ!商標登録体験記⑤~早期審査編(早期審査を申請してみた)~

商標登録関係

ブランドを立ち上げることにした筆者は、弁理士に頼らずに自力で特許庁に商標登録することを目指します。

さて、今回は早期審査編です。

商標登録の出願自体は前回の商標登録体験記④で完了しましたが、すでにその商標を自分で使用しているような場合は、『早期審査』という制度を利用して、審査期間を大幅に短縮することができるようです。

その『早期審査』を、実際に申請してみましたので、体験記として記します。

※似たような制度として、『ファストトラック審査』というものもありましたが、令和4年度をもって、現在休止中です。再開時期は未定のようです。
早く審査結果を得るための「2つの方法」! | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)

①早期審査の対象案件とは?

 まず、特許庁によると、早期審査の対象になり得るのは次の3つの場合です。

引用元:商標早期審査・早期審理の概要|特許庁
  • 対象1・・・『一部の指定商品・指定役務について、出願商標を既に使用している』かつ『権利化についての緊急性がある』
  • 対象2・・・全ての指定商品・指定役務について、出願商標を既に使用している
  • 対象3・・・『一部の指定商品・指定役務について、出願商標を既に使用している』かつ『「類似商品・役務審査基準」等に掲載の商品・役務のみを指定』

筆者は『対象3』に該当する可能性がありそうなので、対象3の方向で検討していきます。

ところで、対象3の場合は、早期審査の中でも特に審査が短いみたいです。
どれくらいかは不明ですが。

特に、対象3に該当する案件は、指定商品・指定役務に係る拒絶理由に該当する可能性が低いことから、権利化までの期間も非常に短くなるという効果も期待されますので、ぜひご活用ください。

引用元:商標早期審査・早期審理ガイドライン|特許庁

気になるのは、対象3の2つ目の条件である、”「類似商品・役務審査基準」等に掲載の商品・役務のみを指定”というところですね。

※ 「類似商品・役務審査基準」等とは、「商標法施行規則 別表(第6条関係)」、「類似商品・役務審査基準」、「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」を指します。

自分が出願している商標の指定商品・指定役務名が、この3つの表のうちのどこかに載っていればOKということ。ということは、商標出願の際、商品・役務名を指定する際に、あらかじめ、この3つの表から商品・役務名を選んでおくことが肝心ですね。これは、すごく重要な情報だと思います

ところで、この3つの表をイチイチ確認するのは手間ですから、特許庁が便利ツールを用意してくれています。

特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)中の「商品・役務名検索」においては、出願人が指定しようとする商品・役務名に関連する語を用いて、「類似商品・役務審査基準」、「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」、「審査において採用された商品・役務名」を検索することができます。

商標登録出願の際には、上記基準や分類表、こちらの検索ツールを活用して十分に調査した上で指定商品・役務を指定してください。

引用元:商品・役務を指定する際の御注意|特許庁

特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)中に、「商品・役務名検索」というシステムがあるみたいです。

これを開いてみると、

こんなのものがあるみたいです。

この検索システムを使って、自分が指定しようとしている商品・役務が、「類似商品・役務審査基準」、「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」に記載されている商品名・役務名なのか、調べることができます。

使い方については、商標早期審査・早期審理ガイドライン|特許庁のp22に掲載されていますが、

このように、「基」あるいは「N」マークがついている商品名・役務名なら、対象3の要件を満たすようです。

筆者の商標の指定商品名も、検索したら「基」がついていました。

早期審査の「対象3」狙いで、大丈夫なようです。

他には、こんな超便利ツールもありますから、リンクを貼っておきます。
商品・役務サポートツール|特許庁

これ↑すごく便利ですね。手っ取り早い。もうこれだけでいいんじゃない??

余談ですが、早期審査とは別に、『早期審理』という制度がありますが、これは別物ですのでご注意ください。(早期審理は、商標登録出願に係る拒絶査定不服審判(拒絶査定を受けた者がこれに不服であるときに、査定の当否を判断するために、さらに事件の審理をするもの)における審理を早めるための手続きです。)

②早期審査によりどれくらい審査期間が早くなるか

通常、商標登録の出願から商標権を獲得するまで、どのくらいかかるのでしょうか。

特許庁の統計資料によると、2021年度における平均FA期間(出願から一次審査通知までの期間)は8か月出願から権利化までの期間は平均9.6か月とのことです。

引用元:特許行政年次報告書2022年版|特許庁

この”FA期間”ですが、弁理士のHP等を見てみると、実際のところは、”ほぼ審査のための順番待ち時間”と解釈してよさそうです。(審査そのものにはそれほど時間はかからない、ということでしょう。)

つまり、通常出願した場合、審査までの順番待ち時間がだいたい8か月かかるということ。

一方、早期審査の場合はどれくらいに短縮されるのでしょうか。
特許庁によると、こうです。

  • 通常の審査・審理に比べて、審査結果・審理結果を早く得ることができます。
  • 早期審査を申請した出願の平均審査順番待ち期間は、早期審査の申請から平均2.1か月となっており(2021年実績)、通常の出願と比べて大幅に短縮されています。

引用元:商標早期審査・早期審理の概要|特許庁

早期審査の対象になれば、順番待ち時間が約2か月になるとのこと。通常であれば8か月かかるわけですから、かなり大幅な短縮になります。

参考までにもうひとつ、特許庁が公開しているデータとして、「商標審査着手状況」というものがあります。

これを見ると、通常、出願した案件が着手されるまで3か月~10か月ほどかかるようです。これを考えても、早期審査のほうが、だいぶ時間短縮になることがわかります。(もちろん、あくまで、早期審査の対象として認められれば、ですが。)

ちなみに、早期審査をする場合は、やはり『電子出願』をおすすめします。書面出願も可能ですが、電子出願よりも1か月多くかかるようです。

なお、書面により提出する場合は、その電子化のために、早期審査の選定手続がオンラインで提出する場合に比べて1月程度遅れる場合があります。お急ぎの方はオンラインで提出することをお勧めします。

引用元:商標早期審査・早期審理ガイドライン|特許庁

せっかくの早期審査ですから、メリットを最大限享受したいところですよね。

③早期審査の手数料は?

早期審査にかかる手数料ですが、特許庁に対する手数料は無料です。

これは本当にありがたいですね!

一方で、弁理士にお願いすれば、追加料金が発生する可能性もあるでしょう。

④審査書類を作成する

それでは、早期審査の審査書類を作成していきます。

流れとしては、商標出願の手続きと同様です。

まずは、例のひな形フォルダから、『早期審査に関する事情説明書』を開きます。
(あるいは、特許庁の、さくっと書類作成 (jpo.go.jp)から作成してもよいと思います。というか、もしかしたら『さくっと書類作成』を使うほうがラクかもしれません。)

記載の方法や記入例は、ガイドラインを参考に作成しました。

商標早期審査・早期審理ガイドライン|特許庁

これでほとんどは書けるのですが、筆者が困ったのは、『証拠書類(画像)の添付』です。(ひな形の最後のほう。)

早期審査においては、ガイドラインに記載のとおり、「すでに商標を使っている」という証明のための証拠書類(パンフレットの写し等)を提出する必要があります。

ガイドラインに掲載されている記入例は、証拠書類を書面で提出する場合の記入例のようで、画像添付については参考になりませんでした。インターネット出願の場合は、証拠書類(画像等)を『早期審査に関する事情説明書』の中に添付する必要があるのですが、ガイドラインではその点に触れられていないのです。

そこで、あちこち探したところ、電子出願ソフトサポートサイトに記載例が掲載されていました。

「早期審査に関する事情説明書」「早期審査に関する事情説明補充書」「誤訳訂正書」の提出物件の記載例|電子出願ソフトサポートサイト

このとおりに添付してみました。もちろん、画像の添付は、出願時と同じく、『ファイルにリンク』で。これでうまくいくはずです。

書類の作成が終わったので、『インターネット出願ソフト』に読み込ませてみます。

⑤インターネット出願ソフトで申請する

出来上がった書類を「インターネット出願ソフト」に読み込ませてみたところ、筆者は結構な数のエラーが出ました。その大部分は、添付した画像の関係でした。

特に、筆者は、添付した画像のサイズが大きすぎるとしてエラーが頻発しました。添付画像のサイズに制限があるようです。JPEGの場合、横×縦が、1200×1933までだそうです。

引用元:HTML 文書で使用できるイメージ|特許庁

なんか、出願の時もそうでしたけど、画像ファイルに対する指示が細かすぎてイライラします。PNGは白黒限定だったり、JPEGはサイズ制限だったり。しかも、手続き内容によって制限がマチマチで、かなり細かく分かれているんですよね。なんとかしてほしいなあ。使いにくいったらありゃしません。

イライラしながらも、筆者はなんとかエラーを突破しました。警告は残っているものの、印刷してみて問題なし。ついに申請できる段階までたどり着きました。

それでは、早期審査をオンライン提出します!
『オンライン出願』ボタンをポチっと押して・・・・・・


申請完了です!

無事に受領書も発行されました。

これで、本当に、あとは待つだけです。

⑥出願作業をひととおり終えての感想

商標のことなんて全く知らなかった筆者が、弁理士にお願いせずに、商標登録出願+早期審査までとりあえず完了したことは、自分でも結構頑張ったのではと思います。

現時点の感想としては、「弁理士にお願いしなくても、これくらいならなんとか自分でできそうだな」と思っています。しかし、ここから特許庁がどう反応してくるのかわかりませんし、何かトラブルが発生して難航すれば、違う感想になるかもしれません。

インターネットであちこち情報収集しながら手探りで作業しましたが、これ、インターネットがない時代だったら無理ですね(笑)

さて、あとは特許庁の反応を待つだけです。
次回の体験記は、、、早ければ2か月後でしょうか??早期審査について何らか反応があると思います。
動きがありましたらまた、報告したいと思います。

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